名詞的用法
「~すること」と訳せる不定詞の働きを名詞的用法と言います。
I want to become a professional baseball player.
“to become a professional baseball player”
「プロ野球選手になること」が、”want”「欲しい」んだ、と言っているんですね。
つまり「プロ野球選手になりたい」わけです。
これはS+V+O(第2文型 主語+動詞+目的語)の文型の目的語の部分で不定詞の名詞的用法が使われているケースです。
“want to +原形動詞”で「~したい」みたいに覚えるのもありですが、こういう成り立ちなんだ、と一度理解してみてください。
My dream is to become a professional baseball player.
“to become a professional baseball player”
「プロ野球選手になること」が、”My dream”です、と言っているのですね。
このように、主語と補語がイコールで結ばれるS+V+C(第3文型 主語+動詞+補語)の文章でも使われます。
注意点としては、不定詞は単数として扱われる、ということです。
To count coins is not making them more.
coinsは複数形ですが、「数えること」は単数、というわけですね。これは覚えておいて下さいね。
“for A to ~”の構文
“For me to speak English is easy.”
「私にとって英語を話すことは簡単だ」
この例文は間違いではありません。
ですが、英語は「頭でっかち」を嫌う、という考え方により、最初に”It is easy”「簡単だ」と言ってしまってから、何が簡単なのか説明する方法があります。
“It is easy for me to speak English.”
と、このように”for A(代名詞、名詞) to 原形動詞(不定詞)”で「Aが~すること」となり、不定詞の意味上の主語をforの後に置く形を覚えておいてください。
「A(不定詞の意味上の主語)がB(不定詞)をすることは~だ。」
“It is ~ for A to B.”
のフォーマット(定式)で覚えておいても結構です。
頻出構文なので、絶対覚えましょうね。
“~ of A to ・・・”の場合
“for A to ~”の構文と勘違いしてしまいやすいので、これも説明しておきます。
~に当たる部分とAが=の関係(~がAの補語)の場合、”for”は使わず”of”を使います。
例えば、”It is easy for me to speak English.”の場合、”me”は”easy”ですか?
じゃないですよね。「簡単」のは「私」ではなく、「私が英語を話すこと」ですよね。
“It is kind of you to give me such a beautiful item.”
ならどうでしょうか?
“you”は”kind”ですか?
そのとおりですね。
こんなにきれいなものをくれる「あなた」が「親切」なわけですから、”You are kind.”の関係が成り立ちます。
なので、ここは”for”ではなく”of”が使われるのです。
不定詞の名詞的用法の例文
例文には直訳と意訳が書いてあります。
一番上が直訳。
直訳で日本語としてすっきりしている文章はひとつしか訳を載せておりませんが、直訳だとしっくりこない文章は意訳をその下に載せています。
なぜこんなことをしているか説明します。
“want to ~”や”need to ~”などを「~したい」「~する必要がある」などと学習されたと思います。
この覚え方そのものは決して悪い覚え方ではありません。
ですが、元々の不定詞の名詞的用法(to以下の名詞句がwantやneedである)という本来的な関係性を忘れてしまうことがあります。
なので、「名詞的用法」を意識した直訳をまず載せてから、そのうえで、一般的な翻訳を載せています。
さらに”You need to have a better excuse.”のような非常に英語的な表現をそのまま日本語にすると非常に不自然になる例も出して、それに対してどのように理解するかも分かるようにしました。
翻訳は下に行くほど意訳になっていきます。
では、例文に参りましょう。
「その公園での散歩が大好きです」
「彼は彼女に会うことを欲したが、彼女は会いたくなかった」
「彼は彼女に会いたかったが、彼女はそうでもなかった」
「彼女は彼女のおばあさんのことについて話すことを始めた」
「彼女はおばあちゃんについての話を始めた」
「彼女はおばあちゃんのことを話し始めた」
「君はより良い言い訳を持つことが必要だ」
「ましな言い訳をするほうがいい」
「ましな言い訳ないの?」
「朝食を摂ることは1日を始める最良の方法の一つだ」
「朝ご飯を食べるのは1日のスタートで最高の方法だ」
「ここで君に会えることは素晴らしい驚きだ!」
「こんなところで君に会えるなんてうれしくて驚いた!」
「彼のように小さな子供にとってこの本を読むことは難しい」
「それを私にとって忘れてしまうのはとても難しい」
「それは私にとって大変忘れがたい」
「私たちのためにお皿洗いをしてくれてあなたはいい人です」
「こんなに美しいモノを私にくれることはあなたは親切です」
「こんなにきれいなものをくれてあなたは親切ですね」
次は形容詞的用法です。
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